トップページ > 長崎商工会議所の変遷 > 13.大黒町に新所屋「長崎交通産業ビル」完成 (昭和39年2月)

商工会議所の変遷

長崎商工会議所の変遷

13.大黒町に新所屋「長崎交通産業ビル」完成 (昭和39年2月)

 長崎商工会議所は、大正8年以来、昭和30年代に至るまで40余年にわたり桜町に所屋を構え、その特異な外観は、長崎経済界のシンボルとして市民にも親しまれていたが、昭和31年10月、長崎県から国道34号線(県庁前〜桜橋)の拡幅工事のため敷地の一部収用の通達があり、所屋を新築移転するか、一部を撤去して改築するかの決断を迫られることになった。

大黒町に完成した「長崎交通産業ビル」
大黒町に完成した「長崎交通産業ビル」

 商工会議所首脳陣は、この問題について協議を重ねたが、新築移転することに決した。昭和35年6月2日の常議員会で、中部悦良会頭は、これまでの経緯について報告したあと、所屋の新築移転構想について「長崎県が長崎駅前に県営バスの発着所を完備したビル(ビジネスセンター)を建設する計画を進めており、商工会議所としても新事態に対処して、心機一転、使命の達成に邁進するために、これに協力して 新所屋を同ビル上層階に建設したい」との所信を明らかにし、賛同を求めた。

 その後、具体的な計画の立案を進め、翌36年2月18日の臨時議員総会に、これを諮って、長崎駅前に長崎県と共同でビルを建設、移転することを正式に決定した。ただちにビル建設委員会を設置、県当局との間に建物の設計、予算等について交渉を重ね、6階建ビルのうち、6階部分(500坪)を商工会議所が区分所有する方式で建設計画をまとめた。

 こうして、新ビルの建設は、37年3月18日起工の運びに至り、2年の工期を要して39年2月に完成「長崎交通産業ビル」と呼称された。ちなみに、建設建築費9,319万円、什器・備品購入費437万円、旧所屋解体費330万円など総額1億225万円にのぼる建設・移転費用は、桜町土地の売却代金、補償金、協力金、積立金によってまかなわれた。

新所屋の落成と創立70周年(明治26年起算)を祝う記念式典
新所屋の落成と創立70周年(明治26年起算)を祝う記念式典

 商工会議所は、同月17日、開所式を行ない、さっそく新所屋で執務を開始したが、同年5月25日、新所屋の落成と創立70周年(条例による長崎商業会議所が創立された明治26年起算)を祝う記念式典が新ビル屋上の特設式場で、佐藤長崎県知事、田川長崎市長ら政財界代表多数を来賓に迎え、商工会議所の役員、議員など関係者500余人が出席して盛大に開かれた。式典は山田博吉会頭の式辞にはじまり脇山寛ビル建設委員会代表の建設経過報告、来賓祝辞と続いたあと功労者・永年勤続役員表彰を行なった。ひきつづいて祝宴に移り、長崎芸能会による祝舞も出されて、賑やかに、会議所の新門出を祝った。

 なお、式典に先だち、23日に大音寺で商工会議所関係物故者の慰霊法要を行ない、先輩諸賢の霊を慰めるとともにその遺徳をしのんだが、新所屋の建設を発起し、その推進に尽された中部悦良会頭がその完成をみることなく、工事半ばの37年11月3日に逝去されたことは痛恨のきわみであった。


前のページへ ページの先頭へ 次のページへ

長崎商工会議所ホームページへ

このコンテンツの見方
『長崎商工会議所 創立130年の歩み』の一部のデータをご覧いただくには、アドビ社が無償配布しているアドビリーダーまたはアドビフラッシュプレイヤーが必要です。アドビリーダーまたはアドビフラッシュプレイヤーは下のアイコンをクリックし、ダウンロードしてご利用ください。

※Adobe、Adobe ロゴ、Adobe Reader、Adobe Flash Player、 は、Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ社)の米国ならびに他の国における商標または登録商標です。
Adobe ReaderまたはAdobe Flash Playerをダウンロード、インストールすることによって生じるトラブルについては長崎県及びアドビシステムズ社は責任を負いませんので、あらかじめご承知ください。

get adobe readerget flash player