トップページ > 130年の歩み > (1) > 8.商工相談所の開設 (昭和11年10月)
長崎商工会議所は、昭和3年の改組を機として、中小商工業者の改善発達に資する目的で商工相談事業を開始した。しかしながら、広く一般に周知されていなかったことに加えて、金融恐慌につづく深刻な不況のなかで、中小商工業者は経営不安に陥り、積極的に事業の拡大発展をはかろうとする意欲を失っていたので、相談のため会議所に来訪する中小商工業者は極めて少かった。
その後、満州事変から支那事変へと大陸政策の進展は、軍需工場の好調、対満貿易の躍進等を招き、中小商工業もようやく活気を取り戻したが、反面、金融問題、税金問題をはじめ中小商工業が抱える問題も多元的になった。
そこで、会議所は中小商工業著が抱える諸問題の解決に積極的に対応するため、昭和11年10月1日から商工相談所を開設、それまでの相談事業を大幅に拡充するとともに、広く中小商工業者に案内状を配布して、その利用促進に努めた。記録によれば初年度(11年10月〜12年3月)の利用実績は1,671件にのぼり、相談内容では商取引に関する事項が1,018件で過半数を占め、商工業者の活気が満ちてきたことを物語っている。翌年以降、商工相談所の相談実績は逐年増加の一途をたどったが、戦時経済体制への移行に伴って、応召軍人家族の商工経営、企業合同、転廃業相談など相談事項も次第に変容していった。
戦後、昭和23年から、商工相談所は中小企業相談所と改称して再発足したが、35年からは国の小規模企業施策の強化とあいまって小規模企業階層の指導に重点をおくことになり、専任の経営指導員を配置するなど相談所の機構と機能は大幅に拡充された。
現在、中小企業相談所に中小企業振興部と業務部を配し、経営指導員13名、経営支援員5名体制となっている。
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