トップページ > 長崎商工会議所の変遷 > 10.所屋の火災とその復旧 (昭和25年3月)
昭和25年3月13日付の長崎日日新聞は、「3月11日午後10時5分頃長崎市桜町の長崎商工会議所(会頭脇山勘助氏)2階から出火。折からの吹雪まじりの強風にあおられて火煙はみるみる同所を包み、所内の事務所、会社19室に延焼。レンガ造り3階建延630坪を全焼約3時間後に鎮火した。損害5,000万円、原因は目下、市署で調査中であるが失火の疑いが濃厚である。同建物は明治20年代に建設された長崎最古のレンガ建であり、11日終了した長崎百貨卸見本市商品は全部他に搬出ずみであったが、会議所の調査資料全部を消失したことは県商工振興上痛く惜しまれている」と長崎商工会議所火災の模様を大きく報じた。
商工会議所は、翌3月12日、長崎電気軌道本社で緊急役員会を開き、脇山会頭が陳謝の意を表したあと、火災の状況について「原因については漏電か失火によるものか、まだ判明していない。会議所事務局は幸い水浸しになっただけで金庫、重要書煩、電話機、什器調度品などは搬出し焼失を免かれ、地下室と事務所の1号室、談話室などはすぐ使用できると思う。事務局は差し当り隣接する通産局階下に移転し、支障がないようにしている」と報告、応急措置について協議した。
次いで同4月5日の役員会で、応急対策の結果を報告して火災臨時対策費を議決するとともに、復旧対策委員会の設置を決定して脇山会頭ら役員13人を委員に委嘱、ただちに復旧工事とその資金調達にとりかかった。
建物本体の復旧工事は6月20日に着工、8月10日には早くも終了したが、内装工事その他で完全復旧までには約1年を費やし、復旧費約400万円は長崎電気軌道をはじめ会員有志の拠出によって調達された。
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