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130年の歩み

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6.長崎港の振興策 (昭和30年5月〜)

 断絶したことによって、内外船舶の出入が激減し衰退を余儀なくされた。経済界の熱心な運動によって、昭和28年8月には、長崎税関の発足をみたものの、30年代初期の定期航路は、離島・沿岸航路を除けば、27年11月に開設された琉球航路のみであった。背後地の不利から、貿易高も、輸出では、三菱造船所で建造される外国船舶が全体の九割強を占め、他は欧州向みかん罐詰めなどが積み出される程度であったまた、輸入も鉱油が主体で、その量も微々たるものであった。

 一方、博多湾では、戦後いち早く港湾施設を完備するとともに、東南アジア航路を誘致し、関門港と競って全九州の輸出入貨物の門戸となろうとしていた。

 こうした情勢のなかで、長崎商工会議所は、このままでは長崎港の貿易港としての将来が危ぶまれるとして、戦後間もない昭和27年の関係業界による長崎貿易協会(昭和37年長崎県貿易協会に改組)を設立し、これと協力して香港航路の誘致、輸出貨物の集荷、琉球経済視察団の派遣など輸出の伸長に努めるとともに、港湾施設の拡充、海事関係官公署の整備などに関して、政府はじめ関係方面に積極的な意見、要望を重ねた。その主なものは次のとおり。

 ○ 昭和30年5月20日 長崎税関長宛
            ・梅ケ崎上屋の指定保税地域の設定について
 ○ 昭和31年7月1日 長崎県知事宛
            ・長崎港の施設増強改善促進について
 ○ 昭和32年1月17日 政府・関係方面宛
            ・日中連絡船の再開について
 ○ 昭和34年8月29日 運輸大臣ほか関係先宛
            ・海事関係合同庁舎の建設について
 ○ 昭和34年12月15日 長崎県知事・県議会議長宛
            ・出島岸壁に上屋倉庫の建設について
 ○ 昭和36年4月3日 海運会社宛
            ・長崎〜香港航路の開設について
 ○ 昭和36年7月4日 衆議院運輸委員会宛
            ・長崎外港の整備について
 ○ 昭和36年8月3日 長崎県知事・長崎市長宛
            ・香港航路の維持助成について
 ○ 昭和36年9月11日 長崎市長・市議会議長宛
            ・臨港用地・倉庫施設確保について
 ○ 昭和36年12月16日 長崎県知事・長崎市長宛
            ・東南アジア貿易発展のための航路維持について

 昭和47年8月には、長崎港貿易促進協議会を設立し、地理的悪条件を克服しながら、輸出貨物の集荷に努める一方、行政当局に対し港湾施設の一層の整備を求めるなど地道な活動を行なっているが、今後、陸上交通体係・港湾施設の整備、拡充とあいまって、中国貿易の拡大、日中連絡船の再開、観光船の誘致に大きな期待がかけられることとなった。

 その後、業界からの要望や「長崎港の活性化に係る調査研究報告書」(平成8年度〜長崎港活性化推進委員会)や「(仮称)長崎港活性化センター設立提案書」(平成9年度〜同委員会)により、平成10年3月、長崎貿易促進協議会は臨時総会を開催して、長崎市貿易協会との合併・一本化に向けて組織再編(解散)することを決定。平成10年4月に長崎港貿易促進協議会と長崎市貿易協会を合併、長崎港活性化センターを新しく発足させ、官民一体となった長崎港活性化への取り組みが図られることとなった。


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